自分らしくいたいから…

平成14年介護保険事業が民間企業でも参入可能となった年に民宿を借りて始めた幸風が今年20年です。

私は元々、特別養護老人ホームで介護士として働いていました。お年寄りが大好きで、毎日仕事に行くのが楽しみでした。しかし、働いていくうちに、入所されている方に自由がないこと、やってあげたいことが出来ないなど自分の思いとのギャップを感じるようになりました。当時は「働かせてもらっている以上仕方がない」と思っていましたが、次第に自分らしくないことに気づきました。「自分らしくいるために、今後どうするべきか…？」との疑問の答えが幸風設立でした。

最初から、順風満帆とはいきませんでしたが、ご利用者様がやりたい事、ご家族様の望んでいる事、そして私がやりたい事をとことん追求しました。ホタルが見たいと言われれば一緒に行程を考えて出掛け、遊覧船に乗りたいと言われれば、抱きかかえて乗船したこともありました。いろいろな行事をしてきましたが、参加されたご利用者様は本当に喜んでおられました。その中でも数名の方が「もういつ死んでもええ」と言われたことがあります。その時、自分のやってきたことが間違ってなかったと確信しました。皆さんも共感できると思いますが、この時が、この言葉が、この仕事のやりがいを感じる時ですね。

デイサービスを利用されているご利用者様がよく「極楽は日が短い」と言われます。これは本当に素敵な褒め言葉で、楽しい時間はあっという間に過ぎていくという意味です。幸風もあっという間に20年が経ちました。これも当初、自分らしさを追求した結果だと思います。

しかし、最近、職員の方から、「しんどくても楽しく仕事がしたい」と言われました。今さらですが気付かされる事です。この節目の年、改めて初心に戻り、幸風の理念に基づきながら、職員の皆さんとこれからの幸風を作っていきたいと思います。

改めて、この幸風に携わって下さった皆様に感謝します。

株式会社　幸風
代表取締役　小谷 直紀